映画ダブルミンツ、と田中さんについて

ダブルミンツの感想をつらつらつらと

かな~~~り書きなぐりたい思いと

書いてもいいよ!っていうのをいただいたので

思ったことをたくさん書こうと思います

 

 

 

 

 

 

 

 

※この文章は中村明日美子で人生変わって、

今も絵と漫画を明日美子のおかげで

描き続けてるような人間が書いていますので

かなり原作重視なのはご理解いただいてから

読んでもらえたらと思います。

 

※あと田中さんについてはほぼほぼはじめましてなのでよく彼のことを知りません

 

 

 

 

 

 

そもそも彼女の作品が大好きなのですが、

彼女の作品は彼女にしか描けない!ってところが好きなので

ありまして、あの得も言われぬ作品をほかの方には

表現できないとは思っています。

 

 

 

 

 

これは、「同級生」がアニメーションで映画化したときに

ひしひしと感じたことでもあって、

あの作品は商業BLとしては大成功の良作だと思っているのですが、

明日美子大好きの私からすると、

陰のあるキャラ という明日美子の魅力が感じられなくて

すこし残念だったなあと感じています。

 

 

 

 

 

ですが、映画とは原作があるものに関しては

「再構成するもの」であると考えているので、

また作者の手から離れて、また違う形になるわけなのです。

だから、文句をつけたいわけでなく、「私」に合わなかったのだなあと

 考えています。

 

 

 

 

…なんだか前置きがすんごく長くなっちゃったんですが、

ダブルミンツはどうかな~~??ってとこから始まるわけですよ、

 

私死ぬほど明日美子の漫画が好きで読み込んでいるので、

その場の雰囲気から匂い時の流れぜ~~んぶ想像できちゃってるんですよ

というか明日美子の漫画がそうさせるので

もう自分の中でダブルミンツの世界観ができまくちゃってて。

(もちろん他の作品もそうなんですが)

「Jの総て」に関しては自分で絵コンテ描いてたくらいに好きなんですよ

それくらい世界を想像させる原作なので、

やっぱまた再構成して映画として世界観を作るのは

きっととっても大変なんだろうなあと思います

 

 

そんなこと考えながら観させてもらって、

結果、今いろいろ考えて

思い返すと、

市川光央役の田中俊介さんがかなり世界を作ってくれてたのかなと思いました

今おもうとめっちゃくちゃ…

 

最初、会社での壱河光夫が描かれるんですけど、

こう、伸び をしていて、(すごく所帯じみた)

それが、ああ私がとらえてたミツオとちがうなーと。

それでもう映画は映画としてのとらえ方で始まってるなっていうのが

わかったのは良かったかもしれないです。

原作とは違う描き方だぞー!っていうかんじで。

 

ない会話があったり、

ある会話がなかったり、

ないシーンがあったり、

あるシーンがなかったり。

他にもさまざまで

 

何点かあげるなら、

女の死体の顔が見えなかったらよかったなとか

「わん」と言うときの顔は見えなくてよかったなとか

明日美子って無駄なコマなくて

わりと想像で見せてくので、

それをほぼ全部描かれてて

原作ファンからしたらその想像させる余地を残してほしかったかなあと

少し思いました

 

でもその余地をこう解釈して描きました!

っていうのがこの映画なんですよね

 

 

そうやっていろいろある中で、

田中さんのみつおくんがわりと目にとまるんですよ…

私の考えていたみつおでも、

明日美子の描いていたみつおでもなく…

田中さんが頑張って頑張って見つけ出して

演技してる、あのみつおくんが……

この子はどんな感情でこんなことしてるんだろう…って感じで。

殴るところも怖くって!

 

原作とは結構はっきり違うんですけど、

気持ちの一貫性なのかなんなのか…

貫き通してるところがあって、

見てて楽しかったです。

なかなかなチンピラ具合で。

(あとからボイメンのこの子かー!!!って気付いて

おどろきました…笑)

 

 

 

 

そうして観終わって色んな人のあれやこれや

見てましたら、

 

かなり田中さんに関してのことが目にとまって!

彼すごい気持ちで挑んでくれてたんだなあって

ははあ…ってなりました…

ブログタイトルすごい…ダブルミンツ愛て…

原画展にあったポスターにも

「広まれ!ダブルミンツの輪!」

ってあって

「そんなライトな作品じゃないだろ!笑」

って思ったんですけど、

そんなの関係なく一生懸命演じて頑張ったものを

とくかく多くの人に見つけて貰いたい!っていう

強い気持ちを感じました

 

 

その誇りとか覚悟とかもろもろが詰まったみつおだったからこそ

あそこまで引き付けるものがあったのだなあ…と思いました。

そうだよねえ、観て貰いたいよねえ

すごい頑張って演じた彼だけの「みつお」だもの。

 

 

あと!そうそう、

彼、彼すごいなあと思うんですけど、

完全に「BL」とか「同性愛もの」

っていうくくりで演じてない感じがしました。

男性同士のああいう作品って…わりと若い子がやって、

やらせてごめんね~~ってなるくらい

戸惑っちゃう子もでてくるし、ぎこちなくなったり、

するし、してもしょうがないよねえとか思っちゃうんですけど、

彼はそのケが全くなくて。

自分が思った通りにみつおを演じていてすごく素敵だと思いました

まっすぐな人なんですかね…。

 

彼は、たぶんあの二人の感情を、「恋愛」

としてとらえていなくて、

それとは違う形にしがたい名前にもできないものとして

扱って演じてたからなのかと思います。

絶妙なんですよね、

「愛しい」という目線ではミツオを見ていなくて…

でも確かに特別な存在で、

彼もわかってなくて、

最後にやっと片割れで、離れられない存在だと気づくような

絶妙な感情を演じてて…。

 

そりゃああんだけ役作りしなくちゃだわ…

ありがとう…

そういう名前のない感情が好きだから、ありがたい。

同級生は「恋愛」ぽさがあるけれど

ダブルミンツはそんなことあるようなないようなだから。

 

一緒に見た方は原作未読だったんですが、

「あれは恋愛とは違う気がして、なんととらえればよかったのでしょう」

って言ってて、そう!その通り!ってなりました

それを聞いたときは確かに分かりづらいかもなあと思ったんですけど、

それはわりと原作でも一緒で、

原作読んでも「この二人は特別な何かで結ばれている」

っていうことしかわからない感じがしますよね。

もちろん恋愛としてとらえるでも、

それは読んだ人の感覚なのでそれもそれで正解だと思ってます。

 

強いて言えば、

映画ではセックスシーンがほぼなかったので余計恋愛ともなんとも

とらえられないところがあって初めての人にはややこしいかなあ?と思いました。

 

ですが、こう、

名前のつかない感情関係に悩まされるのもまたすごいことなのか?とも。

 

 

 

もうひとつ、

原作だけだともう大好きでそのままを一身にうけとってしまって

なかなか考えてなかったことも、

それも映画をみていろいろ考えるようになりました。

 

ミツオに会いたくて危ないコトをしてしまうのかなあとか

こういう感情であんなことになったのかなあとか…

なんか映画観てる間はいろんな感情がまきおこってすごかったです。

 

 

 

 

全然原作には忠実ではないと思います

スタッフが、キャストが頑張って創り上げた

新約・ダブルミンツのような、

ふたりのミツオの精神がそのままの

別軸の、パラレルワールドダブルミンツって感じでした。

 

 

原作が大好きで大好きで仕方ない人にはすすめられないかもしれません。

ですが、田中さんが一生懸命考えて演じた、

「市川光央」に少しでも興味がある方、

またダブルミンツについて一考したい方は観てもいいかもしれません。

 

 

大好きな先生の大好きな作品をまた考えなおせて

私はわりと楽しかったです。

他にもいろいろ言いたいことあるのですが、この辺で。

 

 

 

ああ、あと音楽と佐伯さんがすこぶるよかったです。

あの音楽すきだなあ…佐伯さんの声がすきだなあ…